MOVとMP4 — 実際に何が違うのか
拡張子が違って見えるよりずっと近い関係です。どれくらい近いかを知ると、変換が無料なときと画質を払うときが分かります。
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同じ一族で、姓だけが違います
MOVはAppleのQuickTimeファイル形式です。MP4はISO基本メディアファイル形式で、その標準はQuickTimeを出発点として作られました。競争相手ではなく親子です。
どちらも入れ物です。映像トラック・音声トラック・時間情報・メタデータを収めます。中身の映像はどちらでもたいてい同じコーデック — H.264かHEVCです。同じiPhoneが作った.movと.mp4が、実質的に同一の映像を抱えていることがあります。
ではなぜMOVが拒まれるのか
読めないからではなく、たいていは拡張子のせいです。アップロード欄・動画プラットフォーム・編集ソフト・プレゼンソフトが、ファイル名だけを見て.movを開く前に突き返します。
MOVはMP4が許さないものも収められます — Apple独自のトラックやProResのようなコーデックです。だからMP4はきちんと再生できるソフトでも、すべてのMOVを再生できるとは約束できず、拡張子ごと断るほうが簡単なのです。
再エンコードせずに変換することが肝心です
映像トラックはすでにMP4が受け入れる形なので、MOVをMP4にするのに何かを展開して圧縮し直す必要はありません。トラックをQuickTimeの箱から取り出してMP4の箱に書き写すだけです。これをリマックスと呼びます。
可逆です — 画はもとのファイルとビット単位で同じです。しかもエンコーダーが一度も動かないので、数分ではなく数秒で終わります。10分かかって元より眠くなって返ってきたなら、そのツールは間違ったことをしています。
切り出しも同じです。MP4から一区間を抜くのにもエンコーダーは要りません。ただし切れ目はキーフレームに乗るので、開始位置が数分の一秒ずれることがあります。これは実在する制約で、切った後ではなく切る前に知っておくべきことです。
再エンコードを避けられないとき
箱ではなくコーデックを変えることが、時間と画質を食います。
- MP4 → WebM。コーデックの一族がまるごと違うので、全フレームを展開して圧縮し直します。
- 容量を減らす。圧縮は定義上、再エンコードです。無料の版はありません。
- 動画 → GIF。GIFはまったく別物で色が256に縛られており、結果は元の動画より何倍も大きくなります。
誰も教えてくれない回転の落とし穴
スマートフォンを縦に構えて撮ると、ファイルの中に縦の画素が入っていないことがよくあります。センサーは横のフレームを書き、箱には「再生時に90度回せ」という回転行列が記されます。再生ソフトはそれを読みます。素朴な変換機は読みません。
縦向きの動画が変換機から横倒しで出てくるのはそのためです。私たちも2026年7月に自分たちのツール四つで同じことを計測しました — 変換・切り出し・圧縮・GIFがそろって横倒しの動画を出していました。直し方は出力によって分かれます。MP4は行列を書き直せばよく、WebMとGIFには行列がないのでエンコード前に画素を実際に回す必要があります。
長く生き延びた理由は単純です。手元の動画テストファイルがすべて横向きでした。隠れていた欠陥ではなく、標本にあいた穴だったのです。
アップロードせずに、いま試す
MOVをMP4にすると画質は落ちますか。
落ちる理由がありません。映像がすでにH.264かHEVCなら、トラックをそのままMP4の箱へ複製でき、これはビット単位で可逆です。コーデックを変えるときだけ再エンコードが強制されます。
変換したのに容量が変わりません。
箱を替えることは圧縮ではないからです — 同じ映像を別の箱に移しただけです。ファイルを小さくするには圧縮が必要で、それは再エンコードであり別の作業です。
MOVとMP4のどちらを残すべきですか。
Appleの編集ツールの中に留まるのでなければMP4です。MP4はどこでも受け付けられ、MOVは拡張子だけで断られることが煩わしいほど多いのです。